人格者になりたい

 

 

トラウマを負った人が望むことの一つが「人格者になりたい」ということです。

 

 

親など理不尽な人たちのように醜い感情のとりこになりたくない。あんな奴らのようにはなりたくない。

できれば自分の感情もどこかに取り除いて押しやりたい。
怒り、不安、恐怖、嫉妬もすべてなくしたい。

相手の否定的な感情を受けても、動じない人間になりたい。そうして、人格的にも優れた人になって、思うように生きたい。

 
しかし、なかなか果たせることができません。

それどころか、ちょっとしたことで動揺したり、不安から取り乱したり、恐怖から相手を厳しくこき下ろしたり、そうした自分に失望してイヤになったり。
人間は二階建てなのに、一階部分を取り除いた家を建てるものですから、不安定になるのも当然です。

わがままに我を出している人たちにやられてしまうのです。

 
人格的な完成は正規の発達ルートでもまれる必要がありますが、なかなかそれができずにもがき苦しむことになります。

 醜い「大人」にはなりたくない、その代わりに、大人は通り越して、高潔な「人格者」になりたい。

トラウマを負った人たちにとって、人の感情は恐怖ですから、できる限り直面せずに回避して成長したい、というのが本音です。

回避の手段として、宗教や、哲学や、セラピーに興味を持ったりしますが、なかなか願望は果たせることができません。

 

どこかじぶんは子供のようで、いつまでも未熟で、それが誰かにばれないか、びくびくしているのです。

 

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それ、単に攻撃されているだけですよ

 
トラウマを負った方は裏ルールが分からないために、二階建てになっていることが分かりません。
きれいな二階部分のみが世の中全体であるように見えています。

 

そうすると、他人からの悪意、敵意や邪念に接したときに
それが世の中では当たり前の一階部分であることが分かりません。

するとどうなるかというと、
きれいな二階部分のみであるはずの世の中で、相手から悪意、敵意や邪念を向けられる自分はよほど何か問題があるのではないか?
自分が悪いのではないか?
本来は善人であるはずの相手を怒らせるようなとても失礼なことをしでかしたのではないか?

としてダブルバインドにかかり、自分を責め、罪悪感を感じるようになるのです。

 

 
もっといえば、相手に罪悪感を抱かせるのも攻撃の一種です。
世の中が二階建てになっていることをわかっている普通の人たちからしたら、
「それ、単に攻撃されているだけですよ」
「いじわるされているだけですよ」
「嫉妬されているだけですよ」
という話なのですが、そのことがどうも理解できません。

さながら、カルト教団に入っている信者さんが、教祖のおかしなふるまいを見て、そのように見える自分の頭がおかしい、と自分を責めるかのようです。

信じていない人から見たら、
「それ、教祖さんがおかしいだけですよ」
で終了なのですが。

 

 

自分のコミュニケーションの能力の問題だ、として、自己啓発に励んでみたり、NLPなどを学んでみたりするのですが、根本的な解決策にはなりません。
それはそうですが、前提がずれているのですから。
(二階部分しかない世界で自分がおかしいから問題が起きている、と思い込んでいる)

 

相手からの悪意、敵意、邪念が飛んで来たら、それをキャンセルする力が必要です。その大元は「愛着」になります。

(参考)→「「愛着障害」とは何か?その症状・特徴と治療、克服のために必要なこと

 

ただ、トラウマを負った多くの人の場合、愛着が持てていません。そのため孤独な中、自分で自分を支えなければなりません。
頭を使って自分の正当性の根拠を探そうとして、攻撃してきた相手の不正の証拠を見つけようとします。
そのために、ぐるぐると頭が回り続けるようになります。

 

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ハラスメントとは、二階建て構造を隠すこと

 

世の中が二階建て構造になっているということを隠したコミュニケーションは、すべてハラスメントであるといえます。

(参考)→「あなたの苦しみはモラハラのせいかも?<ハラスメント>とは何か

 

 

もっとも端的なものは宗教です。

信者に、二階部分(善人になれ。他者のために生きろ)がすべてであるように強いるものです。
教祖は、一階部分をうまく利用して、信者を支配するわけです。
世の中の実情は、二階建てであることに変わりがないのですが、1階部分を生きる方法を奪われてしまっては、さらに生きづらくなってしまい、依存を深めてしまうことになります。

 

 

経営者にも、こうしたタイプの偽カリスマ経営者が氾濫しています。
「生き方」を強調して、従業員や信者の弟子経営者に「善人になれ、素直になれ、世のために生きろ」と、カリスマにとって都合の良い人間であることを強いるのです。

 

 

カウンセラー、セラピストや自己啓発の世界でもこうしたことは起きる可能性があります。

クライアントは、一階部分の汚さ、つらさ、ひどさを経験してきていて、つらい目にあっています。しかし、カウンセラーや自己啓発のグル(教祖)は、「世の中はすべて二階(愛、信頼など)なのだ」「世の中はすべて感謝でできています」として、「気づきを得て、変容、成長を果たして(二階のみに生きる)良い人間になれば悩みは解決する」ということを暗に強いることをしてしまいます。

結局、世の中は二階建てですから、実際の社会では一階部分でやられっぱなしになってしまい、そのことに違和感を感じて訴えてもそれはあなたが変わろうとしないから、として責められ続けてしまうのです。

カウンセラーや自己啓発のトレーナーも知らず知らずのうちに、セッション自体がダブルバインドになっている場合があります。

 

 

ハラスメントを行う一番身近な存在は、親をはじめとする家族です。

世の中は二階建てになっているのに、そのことを隠して、きれいごとや、矛盾することを言います。

子供に対してひどいことをして、わがままに行動しているだけなのに、その一階部分(親のひどいふるまい、わがままさ)は見るな、として、二階部分だけを押し通します(「ひどい親だと感じるのは子供のお前がいい子じゃないからだ。いい子になれば問題は感じなくなる」)。
トラウマを負った人たちとは、世の中が二階建てになっていることを実は誰よりも早く発見しています。
だから、早熟です。しかし、そのことを支持してくれる人がいません。
「世の中が二階部分しかない」と思い込まされるか、自分が気高い人間となって「二階部分だけの世の中にしたい」と理想主義的になったりしてしまうのです。一階部分(人の邪念やノイズ)を中和する方法が身につかないまま世の中に出て、いつも損をし続けてしまうのです。

(参考)→「あなたの苦しみはモラハラのせいかも?<ハラスメント>とは何か

 

 

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ベイトソンが世の二階建て構造を“発見”した

 

世の中が二階建てになっていることを最初に“発見”したのは、人類学者のグレゴリー・ベイトソンではないかと思います。

ベイトソンは有名な、コミュニケーションにおける“ダブルバインド”を発見し、それが統合失調症の原因であるとしました。
(統合失調症の原因であることは現在は否定されています。)

ダブルバインドとは、矛盾するメッセージのことです。

例えば、相手を殴りながら、「愛している」と囁いたり、といったことです。殴る=攻撃、虐待 というメッセージに矛盾する「愛している」というメッセージが混乱をもたらすわけです。

矛盾するメッセージに囲まれると私たちは学習のメカニズムが停止してしまって、神経症(トラウマ)に陥ってしまうわけです。

(参考)→「あなたの苦しみはモラハラのせいかも?<ハラスメント>とは何か

 

例えば、親が虐待する、友人が裏切る、 ということも、「親≒安全基地」というメッセージと、「虐待」が矛盾をきたす、「友人≒仲間」というメッセージと、「裏切り」が矛盾をきたして、実際の行為以上のダメージを私たちにもたらします。
特殊なことではなく、ある意味世の中はダブルバインドだらけです。

 ベイトソンは、ダブルバインドの発見を通じて「世の中が二階建てになっていますよ」ということを見出した、といえます。

 

 

 

世の中が二階建て構造であることを身に着けるためには、安定した愛着を背景にして、“親”の導きを得ながら、社会でもまれていく必要があります。“親”というのは必ずしも生みの親とは限りません。親方、先輩などいわゆる育ての親です。
一階部分では、「攻撃」や「裏切り」といった邪念も相手から飛んできます。それらをそういうものだ、とあたかも自然科学者が自然を見るようにいなしながらノイズを中和して、そのうえで二階部分で他者とやり取りをする。
二階部分とは、「信頼」や「愛情」ということです。

 二層にわけることで傷つくこともなく、社会と付き合えるようになります。
昔は、“仕事”が日常のあちらこちらにありました。
そのために、仕事の技能を通じて、二階建てをクリアする方法を学んだものです。

 

例えば、商人は、人間のややこしい部分も知りながらも、それら(一階部分)を中和する世の仕組みを学び
そのうえで、「信頼」で商売を発展していきました。
そうしたことを知らない人は最初からきれいごとのみで仕組みを知らずにいては、手痛い目にあってしまいます。
職人もそうです。技術が一階部分で中和する役目をはたして、二階部分を築く役割をしていました。
(もっとベタに言えば、親方や兄弟子、客や卸先との邪念も交えたやり取りも、技術を通じたコミュニケーションが
中和してくれたといえます。)

 

消費社会で、かつ非定型な仕事が増えた現在では、“仕事”も私たちを守ってくれにくくなっているといえます。

(参考)→「あなたが生きづらいのはなぜ?<生きづらさ>の原因と克服

 

 

 

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世の中は”二階建て”になっている。

 

私たちが、世の中で耳にする道徳律として、
「良いことをすれば返ってくる」
「誠実でなければならない」
「自分よりも相手を優先しなければならない」
などがあります。

こうしたことは実現できるように努めることが人として良いと教えられます。
しかし、なかなかそうはいかずに、要領の良い人が結果として得をしたりすることがあります。

道徳律をなぞるように頑張るのですが、うまくいきません。相手に出し抜かれたり、自分だけ損をしたり、誤解されて悔しい思いをしたりします。周りから見れば馬鹿正直で、わきが甘い、と思われることばかりしてしまいます。

なぜでしょうか?
これはトラウマを負った人は裏ルールが分からない、ことに起因します。

 

 

 実は、世の中の二階建てになっているのです。

二階建てとは、一階部分と二階部分に分かれているということです。

 世の中の一階部分は、負の感情や力関係、ノイズなどの世界です。
人間は、嫉妬や不安、見栄、劣等感や自己優越感、所有欲、権力欲といったさまざまな感情を持つ生き物です。
頭には邪念が浮かびノイズが飛び交っています。

こうした中で、ノイズを中和し、他者と適切な距離を保ち、時に不適切な関係は選別して、自分を守りながら、コミュニケーションを確立します。国でいえばさながら国境、警備隊、の役割の世界です。

そして、安全を確保したうえで、二階の部分を確立することができます。

 

 

 二階の部分とは、信頼、協調、正義、正直さといったことです。ここでは相手と信頼関係を結びことが大切になります。国でも信義に基づいて交易をしたり、交流を図るような部分です。
トラウマを負っていない安定型の人は、こうしたことを当たり前のこととして、成長の過程で身に着けていきます。
しかし、野暮なこととして言葉には出しません。

 
 トラウマを負った人たちは、世の中を一元的にとらえてしまっています。一元的とは、建物でいえば一階のみの平屋建てとして真に受けて理解しているということです。
トラウマを負った人は、裏ルールを学ぶ機会を回避せざるを得なかったために、身に着けていないことが多いのです。さらに、理不尽な目にあってきたために強い正義感、理想主義を持っていることも多く、一階部分のようなことは毛嫌いしてしまいます。

そのため、一階部分を確立しないまま、二階部分のみで社会と関係を取り持とうとして、衝突したり、やり込められたり、相手から支配されたりしてしまうのです。

 

 

トラウマを負った人が、裏ルールを習得する頃には、世の中がとても嫌なもの、面倒くさいものと感じられるようになってしまいます。裏ルールが分からないことは、他者とうまくつながれず孤独を感じる原因にもなるのです。

 

 

 

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“裏ルール”が分からない

 

世の中には、表立っては表明されなかったり、あるいは当事者たちも言語化できていない“裏ルール”があります。
トラウマによるダメージを受けると、世の中の裏のルールが理解できなくなる、ということが生じます。

 
トラウマを負った人が見る世界とは、表立っての部分だけです。裏の部分が見えずに、結果として相手からやり込められたり、損をしたりしてしまいます。

 
トラウマを負っていると、自分がどこやらおかしい、根源的に間違っている、という恐れを常に持っています。
また、汚い大人(親など)を見てきていますから、そのため、清く生きたい、という願望を強く持っています。

 
成長(成熟、発達)するためには人生の経験が必要になります。例えば学校では、友達同士のもめごとや、先輩との付き合い方、といったことを身をもって経験しながら、人との距離を学んでいきます。

 

テストの前に平気で「勉強してないよ」とウソをつく同級生を見て、

グループではきれいごとを言いながら、陰口を言う同級生を見て、

部活の怖い先輩への太鼓持ちを経て、

人間の実態を知ります。
しかし、人間関係のどろどろとした“表の成熟ルート”は、恐怖を感じて通ることができません。人間の感情が大嫌いです。そのために、“回避するルート”を通ろうとしてしまいます(通らざるを得ません)。
同級生たちよりも、ピュアで、でも、大人びた(マセた)感覚があります。一時、同級生たちよりも世の中が分かったような感じがあります。

しかし、高校、大学、社会人と進むにつれて反転してきます。人とうまく付き合えなくなるのです。

なぜなら、“裏ルール”が分からないからです。
実際の世界とはかなり違うのです。
戻って裏ルールを体得しようとしても、今度は、過緊張、過剰適応といった、身体的な失調が邪魔をします。
人と接しても、自然体でいることができずに、人の輪の中に入っていくことができなくなるのです。
すると、さらに、人との関係を回避して、実際の世界とは遠ざかって行ってしまい、孤独を感じるようになるのです。

 

 

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うつ病概念が混乱してしまった原因

 

このような混乱は何からきているかといえば、一つにはアメリカの精神医学会の診断マニュアル(DSMと呼ばれます)が1980年代に日本に入ってきたことや、また、精神病理学が衰退し、病気のメカニズムや生育歴などの背景ではなく、表面的な症状だけで診断するようなことが広まってしまったことに起因します。

 

 

表面的な症状が「うつ」であれば、何でもかんでも「うつ病」と診断されるために、わけがわからなくなり、
「新型うつ」だとカテゴリを持ち出さないことには収まりがつかなくなってきているようなのです。

 

 

さらにもう一つには、近年、製薬会社が「うつ病は心の風邪」といってキャンペーンを張り、従来よりも副作用の少ないSSRIなどの抗うつ剤の使用を宣伝したことがあります。従来は、抗うつ剤も副作用が強く、慎重に投与していたものが、「風邪薬のように」気軽に処方されるようになったことが背景にあります。
薬を処方するためには根拠として診断名が必要になりますから「うつ病」ということが簡単につくようになりました。

 

 

こうして「うつ病は本来どのような病気か?」専門家でさえも訳が分からなくなってしまう状況になってしまったようなのです。

問題意識を持った医師などが、「本来のうつ病の概念に立ち返るように(「内因性のうつ」のみをうつ病とするように)」訴えています。
私たちもこうしたことをある程度知って自衛しておかなければ、自分や家族が「うつ状態」になったときに回復が遅くなってしまいかねません。

 

 

関連する記事はこちらです

→「うつ病の真実~原因、症状を正しく理解するための10のこと

→「うつ病を本当に克服にするために知っておくべき16のこと

 

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うつ病は「心の病気」、ではありません

私たちが、風邪をひいたとき、とても気がめいります。
やる気は下がり、思考を要する事柄について家族から話しかけられると、「あとにしてくれる?」と言いたくなります。

 

風邪は身体の病気ですが、明らかに気分や意識にも影響が出ています。
これと同様にうつ病も、脳の失調などが原因とされますが、身体が鉛のように重くなり、死にたい気持ちになるなど、経験しないとわからないほどに本当につらい状態になります。

 

 

 

ここで立ち止まって考えると「何か変だな?」と思うことがあります。

なぜ、風邪もうつ病も同様に気分に影響が出るのにもかかわらず、うつ病については「心の病」とされているんだろうか? ということです。

うつ病は、食欲や運動機能など身体にも影響が出ます。
うつ病になると、布団が体に張り付いたように動けなくなります。

下手にカウンセリングを受けるよりは、生活習慣の改善、散歩や運動などのエクササイズをしたほうがすっきりすることも多いです。
事実、うつ病の回復期では散歩などは必須ともいえます。
それなら、「うつ病も身体の病気」でよいのではないでしょうか?

 

 

もともと、古代ギリシャでヒポクラテスが体液の乱れで陰気な気質になることをメランコリと言っていた症状が
今でいう「うつ病」のことではないかと言われています。これもすなわち心の病気ということではありません。
実際に、個人の意識が強調されるようになる近代になるまでは「うつ病」という概念は長く姿を消します。
実は、うつ病をはじめとする心の病、とされているものの多く(ほとんど?)は身体の病であるといえるのです。

この点については、例えば、山下格「精神医学ハンドブック(第7版)」においても、「気分障害や統合失調でも、このような意味で高血圧などと同じ「普通のからだの病気」である。」「あくまで「普通のからだの病気」であることを、医療・福祉関係者はもちろん、患者本人および家族も明記することが望まれる」としています。

 

 

私たちは、なにかと「心の病」とする考え方に慣れ、それが好きなようです。

 

 

「でも、心の病でも、身体の病でもどちらでもいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
それが、どちらでもよくないのです。なぜなら、解決に向けての取り組みが全く異なってきます。
例えば、うつ病については「身体の病」としたほうが、実際にその病にかかる患者やご家族にとっても、どれほど気が楽でしょうか?精神科に行く際の引け目や抵抗感を考えれば、「身体の病」とされることの気楽さはお分かりではないかと思います。
「身体の病で、症状だから仕方がない」と思えますし、薬を飲むことにも、休養することに抵抗もありません。

さらに、内因の病ですから、その方の責任でもありません。ただ、生活習慣病という側面がありますから、生き方は変えないといけなくなります。
生活習慣を変えることについても、「心の病」とされればアイデンティティにもかかわりなかなか受け入れがたいですが、身体の病であれば、その理屈は納得ができます。

逆に、「心の病」とされることでどれほど患者が自分を責め、それが果てに自殺につながっているでしょうか?
うつ病に限らず、他の心の悩みでも「心の問題」ではないということは当てはまります。そうとらえると、実はもっと早く、もっと楽になれるように思えます。悩みはその方の責任では全くありません。

 

 

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ホンモノのうつ病とは何か?その原因とメカニズム

 

ホンモノのうつ病とは何か?わかりやすくまとめてみると、

まずうつ病とは、多くの人にとって意外かもしれませんが、ストレスが原因で生じる病気ではありません。

 本来うつ病は、「内因性の病」されます。内因性とは、「遺伝的体質的素因」のことです。つまり、その方の体質によるものです。体質によるものですから、うつ病は、明らかな原因がないもの(了解不能)です。

もし、ストレスといった事が原因で気分が落ち込んでいる、といたように原因が明らか(了解可能)であれば、それは本来のうつ病ではありません。単なる「うつ状態(抑うつ)」です。昔でいえばノイローゼです。
テレビなどの電化製品に例えてみてもわかりやすいです。

長年使用していて、ある日テレビが突然故障してつかなくなる。これが「本来のうつ病」です。
一方、操作の仕方が悪かったり、モノがぶつかって壊れたらそれは「抑うつ」であって、「うつ病」ではありません。
「うつ病」とは時間とともに脳がくたびれて(理由なく)勝手に壊れるものなのです。

 

 

原因がはっきりしている場合は、うつ病ではない他の不調とみる必要があります。どうしてこの区別が必要かといえば、それぞれに対処法が全く異なるからです。
対処法が異なるというのは、「本来のうつ病」ではなければ、例えばうつ病のお薬を出しても上手く功を奏さないということです。

 

ストレスが原因で鬱になったのでしたら、それは「うつ病」ではないですし、基本的にはお薬で解決するものではありません。ストレスを解消する必要があります。

 

もう少しメカニズムから説明すると、
本来のうつ病は、脳内伝達物質の乱れなどが原因とされます。年を取るにつれて、脳内伝達物質がうまくリサイクルされずに足りなくなってしまうのです。※諸説あります。本来のうつ病には、脳内伝達物質に働きかける抗うつ剤がよく効きます。
しかし、ストレスに反応した抑うつや、トラウマが原因といった抑うつは、そもそも脳内伝達物質などが原因ではありませんから、いくらお薬を飲んでもよくなりません。メカニズムを考えれば当然の結果です。

 

 

野村教授も述べているように医師でもこの違いをはっきりさせないままただお薬を出すだけ、といったことも多いようです。(医師でもそうなのですから、カウンセラーはさらに怪しいかもしれません)
うつ病の簡単な入門書やリーフレットを見ても、こうしたことはほとんど説明してくれておらず、誤解を促す原因の一つとなっているようです。

 

 

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ニセモノのうつ病、ホンモノのうつ病

トラウマを負った方に多い症状に「うつ状態」があります。比較的若いにもかかわらずうつに陥り、何度も再発することがあります。

 

よく聞いてみると、職場のストレスが原因で、病院にもかかっていて、うつ病と診断されているといったことをおっしゃられます。
そうしたクライアントさんを見ていて違和感を感じるのは、「あれ?うつ病って、そういう病気なんだっけ?」ということです。
なぜなら、うつ病とは、ストレスが原因でなるものでもなければ、若い人がなるものでもないからです。

そもそもは中年以降に脳がくたびれて“原因なく”陥る病気です。
比較的若年で、何度も再発して、ストレスが原因で、といったことであれば、それはうつ病ではない、と考えるのが普通なのです。
しかし、いろいろと調べてみると、どうも医師や専門家の間でも混乱があるようで、
日本うつ病学会理事長だった、野村総一郎教授も
「皮肉なことにうつ病への関心の高まりと比例して、それが大衆化し、それに応じて誤解も広がり、その弊害も大きくなっているように思える」
「うつ病を研究している専門家の間ですら、うつ病概念への安直な理解、もっとはっきり言えば誤解が蔓延しつつある」
と著書の中で述べています。

 

うつ病は、精神疾患のレギュラー選手と言っても良いくらいポピュラーでありながら、簡単な入門書を一冊読んだくらいでは実像がつかめないくらい、とっつきにくい(理解しにくい)ものになってしまっています。

 

 

そのため、いつのまにか、ホンモノのうつ病と、間違って診断されるニセモノのうつ病とが混在して広まっているようなのです。

 

 

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