職場や家庭の中のハラスメント行為の原因のもう一つは、「いじめの社会理論」と呼ばれる原理によるものです。
これは社会学者の内藤朝雄氏が明らかにしているものです。
→「いじめとは何か?大人、会社、学校など、いじめの本当の原因」
簡単に言えば、学校、職場、家庭などのローカルな共同体のゆがんだ秩序(群生秩序)がもたらす理不尽な行為です。
社会での汎用的な原理ではなく、その場での力関係が生み出す「ノリ」で決められたルールが支配する状況です。
その状況にあると、まともな人でも感染するようにおかしくなり、そのノリに当てはまらない人を苛烈にいじめるようになります。
家庭の場合は、「機能不全家族」がまさにそうですし、
職場の場合は、「ブラック会社」と呼ばれる環境がまさにそうです。
もともと自責感の強い人をターゲットに、相手のせいにして正当化するため、あることないこと取り上げて責め立てます。
こうした状況から逃れるためには、環境を変えることももちろんですが、多くの人(特に管理職や親などが)がメカニズムを知ることも大切です。
管理職や親がまさに主犯である場合は、環境から逃れるしかありません。
「悩みはその人の内にある」という間違ったテーゼを信じていると、いつまでもその環境にとどまり、内省し続けることになります。
社会学者も明らかにしているように、家庭や職場の生きづらさもすべて外からやってくるものなのです。そのことにそろそろ気づく必要があるようです。
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