トラウマを負っている人は、「自分のことをダメだ」と思い、自信がなかったり、「根底ではダメなところがあってそれがバレないか」と不安に感じていたりします。
では、実際はどうか?というと、思っている以上に相手からはよく見えていたり、能力がありそう、とみられていたり、怖いと思われていたりします。
そのことに気が付かずにいて、へりくだったりするものだから、関係性が崩れてひどい目にあったりします。
相手から見ている姿がわからないのはなぜか?といえば、一つには、養育環境の問題。本来、親は適切なコミュニケーションを通じて、子どもの等身大の自己像の形成を後押しします。
根拠のない健全な自信、適切な感情表出、内臓感覚と外的なパフォーマンスとの一致(腑に落ちる、という感覚)、等身大の人間観(良い‐悪いだけではなくて、等身大で人間をとらえる)
といったことがあることで、世界や自分との付き合い方が身に付きます。
しかし、不適切な養育環境に置かれていた場合、そうしたことが十分に身に付きません。
社会に出たら、客観的な姿を誰も教えてはくれません。
支配欲、嫉妬、投影などいろいろな思惑が絡みますから、「自分がどう見えるか教えてくれ」とアドバイスを求めると、こちらをやり込めるようなことを言われたり、客観的な情報を得ることはとても難しい。
そのために、自分が何者か、どう見えているか、わからずに、妙に自己卑下してしまうか、自己肥大してしまうか、といったことを起こしてしまいがちです。
ただ、自己イメージが低いこととは別に、物理的には一個の人間として存在している。
また、サバイバルしてきていることもあって、能力や感性は人よりも高かったりもする。
そうした雰囲気をかもしれいるので、人からは案外良く見えていたり、怖く見えていたりする。
まわりも、最初は、すこし怖いかんじで接するけども、妙にペコペコしてきたりへりくだったりするものだから、
「なんだこいつは?!」「自分たちより下のくせに能力がありやがって」と嫉妬も混ざり、ハラスメントを仕掛けられたりするのです。
本人にしてみたら、
自分はダメだ → 本当はすごいかも → ハラスメントでマイナス評価
と評価が何度も切り返されてしまうので、混乱を起こして、さらに自分が何者かがわからなくなってしまうのです。何が起こっているかは誰も教えてくれません。
対策としては、自分は相手から見ると、思っている以上によく見えている。と知ること。
そのうえで、前回の記事にも書きましたが、ペコペコしない、へりくだらない。さらに対等で接することを意識することです。そのほうがうまくいく。
身体的な過緊張でテンションをコントロールできない状態(ストレス応答系の失調)の場合は、トラウマケアなどで常態に戻す取り組みをしてもいいでしょうし、自分で行う場合は、定期的にウォーキングやヨガなどを行うとよいです。
●よろしければ、こちらもご覧ください。