人間は、発達の過程で、自己イメージや他者イメージが徐々に適正なものへと変化し、自他の区別が明確になっていきます。
赤ちゃんの頃は、自分は何でもできる。親は神様のような存在ですが、そうしたことは修正されて行きます。他人と自分とは違うものだ、ということがわかるようになってきます。
思春期に入り、心の中で「親を殺す(価値観から離れる)」、反抗期を経ることで、自他の区別は明確になっていきます。
この過程を健全に達成している人は、実は思っている以上に少ないのです。
そして、何らかの形で、自己イメージや、他者イメージにゆがみが生じます。
どこか誇大化して、尊大であったり、自分のルールを押し付けたりします。
自他の区別というのが、あまりつかなくなっている人が多いのです。
自他のイメージがつかないとどうなるかと言えば、自分の物差しで相手を判断したり、相手の物差しで自分を下に置いてしまったり。
さらに言えば、力関係で相手から支配されることもあります。
ちょっとしたことで傷ついたり、人に執着したりするようになります。
さらに言えば、自他の区別がつかないということは、相手と距離が近いので、お互いの思考がぶつかりあって、脳がショート(てんかんやヒステリーのような症状)しやすくなります。
「自他の区別」は、いわゆる悩みというものの根本原因の一つではないかと最近、気づくようになりました。
●よろしければ、こちらもご覧ください。
・ブリーフセラピー・カウンセリング・センター公式ホームページ