夫婦げんかは一発レッドカード

 

 カウンセリングにおいて、ご相談者がトラウマを負っているかかどうかを見る、もう一つのポイントとしては、両親(夫婦)の関係があります。

 

 トラウマの研究で明らかになっていますが、他者が怒鳴りあっていたりすることを見聞きすると、自分が直接罵倒を受けた時以上のダメージを受けることが分かっています。
(最も深刻なのは、「DVの目撃と暴言による虐待」の組み合わせとされ、言葉によるDVは、身体のダメージの6倍近いとするデータがあります。)

 

 実際に、視覚野や皮質の容積が減少したり、聴覚野が増加したりします。
(つまり、機能低下を起こしたり、過敏になったりします)。

(参考)

→「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

 トラウマを負った方はしばしば
人の話を聞くのが苦手な人や、話がまとまらなくて困っている方がいます。

 人の話が聞き取れなかったり、話の全体をまとめてとらえることができず、途中から頭がボーっとすることがあります。

 

 それらは、ケンカの目撃ということが原因の一つと考えられます。

 

 会社員はもちろんですが、ご両親が自営業の場合は、夫婦げんかが多い場合があります。

 職住が一体で、仕事のストレスと家庭との間に切れ目がなく、従業員に怒るかのように夫婦でけんかをする、ということがあるからです。

 
 生育歴を伺う中で、両親の喧嘩が多く、怒鳴りあいが頻繁であった、という場合は、「一発レッドカード!!(トラウマの影響がとても大きい、と考えられる)」となります。

 

(参考)

→「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

 

 

自分の子供のころの記憶が薄い人はトラウマの疑いが高い

 

 トラウマを疑うポイントとして、よくあげられることの一つは、子供のころの記憶が薄かったりある時期の記憶がポッカリと抜けていたりすることがあります。

 

 
 カウンセリングでは、初回や事前に問診(インテーク面接)を行いますが、その際に、生育歴(育ってきた歴史)を伺います。

 その際に、子供のころの記憶が比較的薄い人がいます。

 若い方でも、過去をほとんど思い出せない、なんていうこともあります。

 

 あるいは本人は思い出しているつもりでも、漠然としていたり、普通の人からすると薄いなあ、と感じることがあります。
 「えっ、過去って皆さん、そんなにはっきり思い出せるものなんですか?」
と尋ねられる方もいます。

 

 

 よく有名人の自伝などを見るとわかりますが、小さいことも詳細に書かれているものもあります。
(三島由紀夫はおなかの中の記憶も覚えていた、という本当かどうかはよくわからない話もあります。)
 普通は、わりと思い出せるものです。

 

 

 一方、トラウマを負っていると、欠けたり、薄くなったりします。それは、そのときの記憶がまったく飛んでいるか、記憶されていても海馬で整理されないままであることが原因です。

 

 

 筆者自身も10年前にトラウマのケアを受けた際には、「幼いころの記憶が薄い」と指摘されたことがあります。
 自分ではそんなつもりはなかったのですが、自分ではわからない記憶の薄さや欠け、というのは知らず知らずのうちに起きている可能性はあります。

 

 
 皆様も、自分自身の過去を振り返ってみて、記憶がほとんどない時代がある、あるいはあまりよく思い出せない、という場合は、結構、トラウマが疑われるかもしれません。

 

 

(参考)

→「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

 

 

サイコパス性の弱さを緩める言葉

 

 サイコパス性の弱さを緩める言葉としては、

(ケースによっても異なりますが)以下のような言葉があります。

 

 「ANKK1の還元」:これまで嫌いだった支配的な人や積極的な人の言動なども、あれ?いいかも?と思えたりします。

 「MAOAの還元」:戦士の遺伝子とよばれているものですから、攻撃的な部分が弱い場合にきくかもしれません。

 「MAOBの還元」「DBHの還元」「TTF2の還元」なども、対人関係の不安や生きづらさを緩和してくれます。

 

 人や状態によっても異なりますので、いくつか唱えてみて、よいものを頻繁に唱えるとよいです。

 

 

 

●よろしければ、こちらもご覧ください。

ブリーフセラピー・カウンセリング・センター公式ホームページ

お悩みの原因や解決方法について

 

サイコパスの力を借りて悩みを解決してみる

 

 最近、ふと思ったことは、悩みの解決に、サイコパスの力を借りることができないか?ということです。
「サイコパス」というと、とってもイメージが悪いと思います。おそらくは、「羊たちの沈黙」のレクター教授のような猟奇的な殺人者というイメージ。冷徹で残酷な支配者、というイメージ。
できればお近づきになりたくない、私もそう思います。

 
確かにそういう人もいるのですが、実際は少し趣が異なります。

 

 サイコパスとは、脳のタイプであり、人間の発達凸凹の一つの次元ということです。
サイコパスか、そうではないか、という単純な分け方ではなく、スペクトラムになっていて、私たちの中にもそれぞれにサイコパス性、というのは潜んでいます。

 

 サイコパスでも向社会性サイコパスは、社会でも活躍できて人類の発展には欠かすことができません。

 

 リスクを冒した起業、革命、探検、戦争などはサイコパス性のなせる業です。
悩みが強い人は、ある意味、サイコパス性が少なすぎて苦しくなっている、といえるでしょう。

 

 

サイコパスとは何か?というと、
・偏桃体の活動が低い
・内側前頭前皮質と眼窩前頭皮質の機能不全、
・偏桃体と眼窩前頭皮質の結びつきの弱い
という脳の特徴がある人たちです。

 

 偏桃体は情動の中枢であり、眼窩前頭皮質は衝動性制御を行っている部位です。

それによって、感情に振り回されず、自分を抑えすぎもせず、冷静で客観的で、自分を責めたりせず、魅力的にふるまうことができます。

 

 政治家や社長にはこういう人が多く、歴代のアメリカ大統領もそうだったといわれています。実はマザーテレサもそうだった、といわれています。
(マザーテレサはとっても冷酷な人だったようで、そのことを指摘した本が実際にあります)

 

 日本だと、わかりやすく言えば、最近総選挙で惨敗した緑の知事なんかは典型的にあてはまります。逆に、トラウマを負ったりした人は、

・偏桃体が過活動を起こして、感情に振り回されやすい。
・内側前頭前皮質と眼窩前頭皮質の機能が強すぎて、自由にふるまえない。生きづらい。
・偏桃体と眼窩前頭皮質の結びつきが強すぎて、感情が表に出せない。

ということで苦しんでいるわけです。

 

 

 嫌な相手が来たら、「やめてください」と冷静に言い返したい、そう思うけども、心臓バクバク、胃腸がキリキリ、および腰になってできません。

 今すぐその場を離れたくなります。

 離れた途端、相手への馬頭が頭の中で渦巻いて、お酒でも飲まなきゃやってられない、ということになります。
では、こうした生きづらさを解決するのに、逆にサイコパス性を強めて緩和できないか?
と考えました。