世の中には、表立っては表明されなかったり、あるいは当事者たちも言語化できていない“裏ルール”があります。
トラウマによるダメージを受けると、世の中の裏のルールが理解できなくなる、ということが生じます。
トラウマを負った人が見る世界とは、表立っての部分だけです。裏の部分が見えずに、結果として相手からやり込められたり、損をしたりしてしまいます。
トラウマを負っていると、自分がどこやらおかしい、根源的に間違っている、という恐れを常に持っています。また、汚い大人(親など)を見てきていますから、そのため、清く生きたい、という願望を強く持っています。
成長(成熟、発達)するためには人生の経験が必要になります。例えば学校では、友達同士のもめごとや、先輩との付き合い方、といったことを身をもって経験しながら、人との距離を学んでいきます。
テストの前に平気で「勉強してないよ」とウソをつく同級生を見て、
グループではきれいごとを言いながら、陰口を言う同級生を見て、
部活の怖い先輩への太鼓持ちを経て、
人間の実態を知ります。
しかし、人間関係のどろどろとした“表の成熟ルート”は、恐怖を感じて通ることができません。人間の感情が大嫌いです。そのために、“回避するルート”を通ろうとしてしまいます(通らざるを得ません)。
同級生たちよりも、ピュアで、でも、大人びた(マセた)感覚があります。一時、同級生たちよりも世の中が分かったような感じがあります。
しかし、高校、大学、社会人と進むにつれて反転してきます。人とうまく付き合えなくなるのです。
なぜなら、“裏ルール”が分からないからです。実際の世界とはかなり違うのです。
戻って裏ルールを体得しようとしても、今度は、過緊張、過剰適応といった、身体的な失調が邪魔をします。人と接しても、自然体でいることができずに、人の輪の中に入っていくことができなくなるのです。
すると、さらに、人との関係を回避して、実際の世界とは遠ざかって行ってしまい、孤独を感じるようになるのです。
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