3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ(1/4)

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 今回は、これからの臨床において不可欠な概念である「3つの真実(3つのタイプ)」についてまとめてみました。

 実体験にも当てはまる、としてこの概念に共感するクライアントは多く、さまざまなケースに当てはまる妥当性の高いものです。よろしければご覧ください。

 

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はじめに

 すべての人とは分かり合えるはず、思いは必ず通じる、と私たちは教えられてきました。
分かり合えないときは、コミュニケーション不足のせいか、誤解のせいで、ちゃんと解きほぐせば大丈夫。
 相手がもし理不尽なことをしてきたときは、自分に問題があると考えなければならない、と自らを律している人も多いのではないでしょうか。

 

 しかし、私たちが日常生活で直面するのは、そうしたことでは説明できない、言葉にもできない現象です。

 

 例えば、
 「友達と思っていた人から急に失礼なことを言われた。何も失礼なことをした覚えがないのにわけがわからない」
 「いつも優しい人なのに、その人からふと言われた言葉が気になって頭から離れない。」
 「趣味の会で同じクラスの人がいるけど、別にこれといって悪いわけではないし、言葉にはできないけど、何か嫌な感じがしてしまう」

 

 下手に相談などしてしまうと、友達や場合によってはカウンセラーからも、「あなたに問題があるのではない?」といったような言葉をかけられて、自分がへこんでしまう。
 心理学の本を読んで、パーソナリティ障害かも?と思って調べてみるけど、しっくり来ない。   

 

 そもそも、もっとも分かり合えるはずの家族同士でも、子どもに対して否定的な言葉をかけたり、あまり愛情を注がない親がいたりするのかも説明がつきません。そのため、私たちは自らに原因を求めて罪悪感にさいなまれてしまいます。
 おかしな行動をするのはその人自身が愛情不足のためだ、という理解をされていますが、もし愛情不足なだけであれば、愛情を注いで、コミュニケーションを重ねれば通じ合えるはずです。しかし、そうはならない。

 

 「親子なんだから、わだかまりを解消して、思いやりをかければ必ず理解してくれる」

 その言葉を信じて親子の関係を取り戻そうと努力しても返り討ちにあったり、仲良くなれない罪悪感にさいなまれている人は本当にたくさんいらっしゃいます。

 

 対人関係の問題以外でも、自分自身が持たされているみじめな自己イメージや罪悪感が頭から離れない、と悩んでいる人も多い。
 「自分はどんくさくて、気遣いもできず、ダメな人間だ」
 「自分は人から信頼されない、胡散臭い性格なのだ」
 「私は、子どもにも手をあげたり、理不尽に叱りつけるような不適格な親だ」
 など。

 これも、なぜそう思ってしまうのかはよくわからないのですが、本人の中では、リアリティをもって感じられ、自身を縛り続けてしまいます。

 

 これらの罪悪感は解きほぐしていくと、人間関係からもたらされていることがわかります。周囲の人間関係に影響されて罪悪感に支配されてしまう。
 これまでは単なる当人の思い込みとして処理されてきましたが、どうやらそうでもないということが分かってきています。

 

 近年、そうしたことに対して、人間には3つのタイプが存在し、それぞれに真実が異なるために、以上に示したような現象が生じているのではないか、という知見、仮説が示されるようになりました。

 

 つまり、問題の原因が私たちの中にあるのではなく、影響しあう関係にあるのではないか、ということです。
 3つのタイプの特徴と相互に与え合う影響を知ることは、私たちが直面する悩みから抜け出すためにはとても大切なことなのです。

 

 

 

人と人とは密接に影響しあっている~ミラーニューロンの発見

 まず、3つのタイプについて理解するためには、ミラーニューロンの存在とその機能を知る必要があります。ミラーニューロンの存在は、私たちの悩みのメカニズムを知るうえで前提となります。

 ミラーニューロンとは、1996年の初めにイタリアの脳科学者リゾラッティによって発見されたものです。


 簡単に言うと、脳には相手の状態を模倣する細胞があるということです。脳科学においては革命的な発見とされています。ミラーニューロンは広範にわたって存在するため、ミラーシステムとも呼ばれます。
 ミラーニューロンが発見されたのは偶然によってです。科学者が実験用のサルの隣でジェラードを食べていたら、ジェラードを食べる動作にまつわる脳の部位が反応していることに気づいたことがきっかけです。

 

 ミラーニューロンの発見以前は、人間(動物も)が他者を理解するときは、視覚や聴覚などの感覚を通じて得た情報を統合して、相手の状態を推測しているの、と考えられていました。
 しかし、ミラーニューロンの発見によって、人間(を含む動物)は、相手の状態を〝そのまま写し取るように”脳がまねることで相手を理解しているということが分かったのです。

 

 例えば、緊張している相手と一緒にいたら緊張してしまう。否定的な考えを持っている人と一緒にいるとこちらも暗くなるといったことはこれまでは、単なる気のせいと片づけられていました。しかし、ミラーニューロンの機能を知ると、脳が模倣しているために生じている現象であることが分かります。 
 何となく相手のことが分かったり、感じ取ったりということもミラーニューロンを通じたコミュニケーションの結果といえます。

 

 ミラーニューロンがあることで、あたかもWifiのように無意識に相手を模倣して、相手とつながるような状態になります。家族のように頻繁に意識する、気質も似通う相手であればよりつながりは強くなります。

 このように相手とつながりあう状態を作り出すミラーニューロンの機能が3つのタイプの影響の土台です。

 では、次に3つのタイプの特徴を具体的にみてまいりましょう。

 

参照)→「ジャコモ ・リゾラッティ「ミラーニューロン」(紀伊國屋書店)」

 

 

3つのタイプの特徴~「虚無」「支配者」「光の人」

 私たち人間においては、3つのタイプが存在しています。
 「虚無」「支配者」「光の人」という3つです。

 これは、性格の傾向ではありません。生まれつき決まっているタイプです。人間の傾向の違いではなく、例えばタンポポとチューリップとバラが異なる植物であるようにそもそもが異なる存在と考えるのが適切です。 

 

「虚無」の特徴

・このタイプにとっての真実は「無」です。愛、神も何も存在しません。

・このタイプにとっての自由とは、「無」となり他の「虚無」と一体になることです。
・このタイプにとって、愛というのは執着で、自由から遠ざけるものです。


・「虚無」の世界においては、善も悪も、正しい=間違いも存在しません。
・本来は「無」であるため、悩みや不安も存在しません。
・このタイプにとっての〝心”とは、「無(虚無)」の集合体です。
・「支配者」からの「幻想の愛」で罪悪感を感じさせられ、執着させられて、本当の自分の求めているものが分からなくさせられてしまいます。


・このタイプでもっとも有名な人はブッダです。
・人口の7~8割程度が該当します。

 

 

「支配者」の特徴

・このタイプにとっての真実は、自分は神で自分の中に愛があるとして幻想の愛で他者を支配すること、です。
・このタイプにとっての自由とは、自由に相手を支配すること、です。
・支配するために相手に罪悪感を与えて罰して、自分は神として「幻想の愛」を与えて救う、ということをします。


・「支配者」同士は連携しています。
・「支配者」は、自分が支配していることを知っています。意図的であり、無意識にさせられているのではありません。
・「支配者」は快感を得るためや、苦痛を与えたいがために支配しているのではなく、ただ支配することが目的です。サディズムや復讐心などはありません。


・「支配者」かどうかと、表面的な性格や行動は全く関係がありません。暴力的で高圧的でいかにもという人もいれば、おとなしくて優しい人、人格者が「支配者」であることもあります。
・支配するためには何でも利用します。
・会社の社長、芸能人、宗教の指導者で尊敬されている人の中にもこのタイプの人がたくさんいます。


・人口の2~3割程度が該当します。自分に近い家族で親、兄弟や祖父母、配偶者、子どもまで含めると(おじ、おば、いとこを除く)、うち2~3人は支配者であることが通常です。

 

 

「光の人」の特徴

・このタイプにとって、神の愛、無条件の愛を求めることが真実です。
・自分の意志はなく、神の意志に従って生きることが本来の姿

です。
・見えないものを信じ、見えないものを求めます。
・「光の人」にとっての〝心”とは、神の意志です。
・「支配者」からの「幻想の愛」で罪悪感を感じさせられ、執着させられて、本当の自分の求めているものが分からなくさせられてしまいます。


・このタイプで最も有名なのはキリストです。
・非常に稀で、人口の1%にも満たない(1000人に1人程度ではないか?ともされます)。

 

 

「3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ(2/4)」

「3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ(3/4)」

「3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ(4/4)」