反抗期とは、成長期のホルモンバランスの乱れによるも のとされます。本能的なものとされます。
ただ、ホルモンの乱れでイライラする、という生物学的な機能と、親の価値観との決別という社会的な機能とは、別だと考えられます。
社会的な機能は環境が整わないと不発に終わることも多いのです。ただイライラするだけで終わってしまったり、それすら十分に感じられなかったり、といったことです。
反抗するためには、相対化する立脚点が必要になります。しかし、現代のような核家族で閉じられた社会の中では、親の価値観が覆ってしまっていて、反抗すらできないような状況にあることも少なくありません。
ダブルバインド(二重のメッセージによる呪縛)という現象がありますが、反抗することへの強い罪悪感であったり、反抗すること事態の親の価値観に沿うといったような巧妙な精神的支配をかけられていることで、うまく果たすことができないままでいることも多いのです。
また、イライラは激しいが、ただ暴言や暴力として表現されるだけで、立脚点がないために反抗期の機能は果たされていないというケースも多いです。
ただ、イライラ暴れていたから反抗期があった、という本人も記憶していますが、実はそれは反抗期ではなかった、ということがあります。
立脚点とは、かつてであれば、元服した先にある“社会”であったり、丁稚などで就く“しごと”であったり、カウンターカルチャーの価値観、家族外の年長者の価値観であったり、したのでしょう。
機能不全家族などの場合、家族がカルトのように閉じてしまうために、あるいは優等生になって家族を守ろうとするために、反抗が上手くいかなくなってしまうのかもしれません。
愛着(親子)の問題を解決する際に、和解や理解にばかり焦点が当てられますが、むしろ逆で、実際に家族との関係でお悩みの方は、“適切な反抗”をどうして達成するか?にこそ焦点を当ててみると、解決の糸口が見えるかもしれません。
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